ニセイカウシュッペ山 登山報告

前夜の雨でぬかるむ登山道。目の前を、猛烈な勢いで下から上へ駆け上がっていく霧。そして下山途中に降り出した雨——。決して条件のよい一日ではありませんでした。それでも、いや、だからこそ学ぶことの多い山行になりました。2026年8月2日、くしろ山岳会のメンバー4名で登ったニセイカウシュッペ山(1,878.9m)の記録です。

登山口の駐車場に集合したメンバー
8:15 登山口にて。この時点で駐車場はすでに満車でした。

山行データ

日 程2026年8月2日(日)8:45 〜 14:30
山 域ニセイカウシュッペ山(北海道・上川町)
行動時間全5時間45分(登り3時間/山頂休憩45分/下り2時間)
参加者4名 ─ Yさん(リーダー)、Nさん(サブリーダー)、Sさん、A(記録)
天 候曇りときどき晴れ、のち一時雨(気温15度前後)

駐車場はすでに満車。路肩からのスタート

午前8時15分ごろ、登山口に到着。ところが駐車場はこの時点ですでに満車で、やむなく路肩に車を停めることになりました。人気の山だということを、まずは駐車場の風景で思い知らされます。

登山口付近の樹林帯
登山口周辺の樹林帯。前夜の雨で葉がしっとりと濡れていました。

泥と滑りとの戦い。8:45、登山開始

午前8時45分、登山開始。前夜の雨をたっぷり吸い込んだ登山道は、泥濘(ぬかるみ)と滑りやすい岩の連続でした。一歩ごとに足元を確かめながら、慎重に高度を上げていきます。

稜線を指さすメンバー
9:44 ガスが晴れて、ついに山頂が姿を見せました。
樹林越しに見えるニセイカウシュッペ山
右がニセイカウシュッペ山。目指す頂が見えると、足取りも少し軽くなります。

霧が「下から上へ」駆け上がっていく

この日の天候は、ガスがかかったかと思えばパッと晴れる、という変化の大きいものでした。

なかでも印象的だったのが、山の上昇気流によって、霧が猛烈な勢いで下から上へと駆け上がっていく光景です。Yさんから「これが上昇気流だよ」とレクチャーをいただきながら眺めていると、山の天候というものが、いかに短時間で、いかにダイナミックに変わるものかが体感として腑に落ちました。気温は15度前後。夏の平地とはまるで別世界です。

稜線に向かう登山道
ぬかるんだ登山道を、一歩ずつ確かめながら。
景色を撮影するメンバー
晴れ間が出るたびに、みんなでカメラを構えます。
谷から湧き上がる雲
谷から湧き上がる雲。この雲が、このあと一気に稜線を駆け上がっていきました。
濡れた岩場を登る
濡れた岩場。ここはとくに滑りやすく、慎重に通過しました。
笹に覆われた登山道
笹に覆われた区間。足元が見えないぶん、より慎重に。
稜線でポーズをとるメンバー
視界が開けた瞬間の解放感。自然と笑顔になります。
稜線から谷を見下ろす
眼下に広がる緑の谷。晴れているうちに、と目に焼き付けます。

ガスの山頂。展望はゼロ、それでも

好転とガスを何度も繰り返しながら、昼前には無事に山頂へ到着しました。残念ながら山頂は完全にガスの中で、期待していた展望を見ることはできませんでした。

それでも、標識を囲んで写真を撮り、約45分のんびり休憩。見えない景色を想像しながら過ごす山頂の時間も、これはこれで悪くないものです。

ガスに包まれた山頂の様子
山頂は真っ白。多くの登山者が思い思いに休憩していました。
山頂標識の前での記念撮影
ニセイカウシュッペ山 1,878.9m。全員で登頂です。

沢から登ってきた3人組と、下山途中の雨

下山を開始してしばらく、眼下に見える沢のほうから登ってきた3名に遭遇しました。沢登り——正直、とても楽しそうです。次はあちらのルートも歩いてみたい、と密かに思いました。

下山路で出会った登山者
沢から登ってきたパーティーと遭遇。山での出会いも楽しみのひとつ。
樹林帯を下る
樹林帯まで下りてくると、空気がまた変わります。

駐車場まであと30分ほど、というところで雨に降られ、雨具を着用しての下山となりました。少し気持ちが沈みかけたそのとき、Sさんの「雨の山行を楽しむ人もいるんだよ」という一言。

これにはハッとさせられました。そう言われてみれば、雨に濡れた緑は驚くほど鮮やかで、雨音に包まれた登山道は静かで心地よい。気持ちを切り替えたとたん、雨の中の下山がすっかり楽しくなりました。……そう思った途端に雨がやんでしまったのは、少し残念でしたが(笑)。

霧のなかを下るメンバー
再びガスの中へ。視界が白く閉じていきます。
雨具を着て下山するメンバー
雨具を着用しての下山。雨の山も、悪くありません。

午後2時45分、無事に駐車場へ到着。4名全員、怪我なく安全に下山することができました。

下山後、駐車場での集合写真
14:45 下山完了。全員無事、いい顔で終われました。

今回の山行で学んだ3つのこと

① 山の上昇気流と、天候の変化

上昇気流によって霧やガスが急激に発生し、天候が短時間で大きく変化する——文字では知っていたことを、この日は実際に目で見て体験することができました。

天気予報を確認するのは当然として、それ以上に登山中の雲・ガス・風の変化を自分自身の目で観察することが大切だと痛感しました。4月の例会でのTさんの講習会の内容も思い返しながら、「これがあのときの話か」と体感できたのは大きな収穫です。

② トレッキングポールと「3点支持」

前日の雨で登山道は泥濘み、非常に滑りやすい状況でした。そこで意識したのが、トレッキングポールを使った「3点支持」です。

常に3点で身体を支えることを意識するだけで、足元の滑りが目に見えて減り、格段に安定して歩けるようになりました。とくに下山時、ポールを上手に使えるかどうかが、そのまま安全性につながることを実感しました。

③ 雨の山行も、気持ち次第で楽しめる

雨具を着てしっかり安全を確保すれば、雨の中の山行もちゃんと楽しめる。「雨を楽しむ」という考え方に触れたことで、天候が崩れたときにただ残念がるのではなく、その状況ごと前向きに味わう姿勢の大切さを学びました。これは山だけの話ではないかもしれません。

おわりに

ニセイカウシュッペ山は今回が初めてでしたが、天候の変化、登山道のコンディション、そして雨の下山と、さまざまな経験を一日に凝縮したような、とても勉強になる山行でした。前回のオダッシュ山に続き、学びの多い一日です。

条件は決してよくありませんでしたが、参加者全員で声を掛け合いながら(Nさんの四国お遍路さんのお話には聞き入ってしまいました)、安全を第一に行動したことで、怪我なく無事に終えることができました。

今回学んだことを今後の登山にも生かしながら、これからも安全第一で、さまざまな山に挑戦していきたいと思います。

山行計画を立ててくださったOさん、リーダー・サブリーダーのYさん、Nさん、そして娘さんの反対を押し切って参加された(笑)Sさん、本当にありがとうございました!

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