三笠新道~高根ヶ原~白雲避難小屋~緑岳 

2カ月近く自粛していた定例山行も、緊急事態宣言解除でようやく再開。毎年恒例になっている三笠新道に行ってきました。

三笠新道から見た大雪高原温泉沼

残雪と新緑が織りなすゼブラ模様、雪解けとともに姿を現す大小さまざまな沼、高根ヶ原のお花畑・・・何度行っても飽きません。

夏山に必要な知識や技術がトータルで試される三笠新道コースは、くしろ山岳会の恒例山行になっています。アイゼンを装着して急斜面の雪渓を登るので、アイゼン歩行やピッケルによる滑落停止訓練を受けていることが参加条件です。

道具をそろえて、訓練にも参加。満を持して参加したYさんからの報告です。

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今回は、残雪を登り、比較的標高の高い所を歩くので、山行当日のウェアレイヤリングについて、悩んでいました。ところが、当日の天候は、平地では気温30℃近くの快晴となり、一転して、暑さ対策を考えました。結果、ウェアは、夏山仕様で、アイゼンとピッケルに、水を3.5L背負うという、夏冬折衷のなんだかよく分からない装備となり、33Lザックがパンパンになりました。

大雪高原温泉 ヒグマ情報センター

ヒグマ情報センターで15分程度のレクチャーを受け、高原温泉沼巡りルートに出発します。今の時期しか見ることのできない素晴らしい風景の連続で、ピンクテープが常に視界に入るように設置されているので、コースロストする心配は全くありません。ただし、沼巡りコースは、ほとんどが残雪に覆われていて、高低差があまりなく、目印となる地形が見つけづらいので、ピンクテープなしに歩くことは、難しいと感じました。

大雪高原温泉沼

2時間程で、三笠新道の標高差約150mの急登下に到着します。自宅での練習の成果により、アイゼンを比較的スムーズに装着し、登り始めますが、ザクザクの柔らかい雪質に苦戦しました。自分の登り方は、燃費が悪い登り方のようです。アイゼン歩行の練習が必要ですね。

三笠新道

三笠新道を登り詰めると、標高1800mに高根ヶ原が広がっています。登山をしていると、「お花畑」という表現を頻繁に目にしますが、これまでの登山で、その「お花畑」には遭遇したことはなく、未だに「お花畑」と聞くと、富良野のラベンダー畑を連想してしまいます。しかし、高根ヶ原には、チングルマやキンバイ、大雪山系の固有種などが、一定の密度で咲き誇っていて、初めて、山のお花畑を実感しました。

チングルマ エゾツガザクラ

左に旭岳、右に東大雪の石狩岳や二ペソツ山、後ろにトムラウシ山という素晴らしい景色の中、新築されたばかりの白雲避難小屋を目指します。白雲避難小屋に到着し、気温を確認すると、26℃オーバーで、直射日光にさらされ、水の残量が気になりました。

白雲岳避難小屋

板垣新道から緑岳を経由し、登山口に戻ります。緑岳の頂上直下は急登で、今回は、アイゼン装着のため、アルパインブーツで登りましたが、ガレ場が歩きやすく、足が保護されていると感じる一方で、重いせいか普段のシューズよりも取り回しが悪く、なかなかペースが上がらず、皆さんに迷惑を掛けたかもしれません。

緑岳から見た三笠新道

下山途中に、気温を確認すると、15時近くでも26℃あり、リーダーと残雪で顔や頸動脈を冷やしました。あの残雪がなかったら、暑さにやられていましたね(笑)

そんなこんなで、無事に下山しました。結局、水は3L以上飲んでいました。

会の定例山行に参加するのは久々で、やはり、皆さんと登るのは、楽しいですし、勉強にもなります。今回は辛い場面の方が多かったような気がしますが、また来年、三笠新道に登りたいですね。

長文、お目通しありがとうございます。皆様、安全登山を楽しみましょう!

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次回は夕張岳です。これまた高山植物が真っ盛りのはず。楽しみです。

 

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