芽登ロック研修会

講師T  記録S   参加総数10名

 7:30に(旧)道の駅足寄湖集合後、移動して足寄ダム近辺で講師のTさんを含め10名で懸垂下降研修を行いました。記録係の私Sは、登山歴3年、クライミング歴2か月という歴と名乗ってはいけないくらいの経験の浅さで、懸垂下降の「け」の字も知らない状態での参加でした。

 今回は、中途半端な知識で挑むよりも真っさらな状態から覚えた方がよいかと思い、あえて知識ゼロで参加しました。

 話は少し逸れますが、実は私なりの懸垂下降はやっていました。私は登山の他に釣りも好きで、こちらは趣味というよりもライフワークであり、困難があっても不撤退です。どんなに忙しくても歯磨きをするのと同様です。まず、釣りをするときに川へ入るための入渓地点を探すこととなりますが、どうしても橋からしか入渓できない場合は、工事用ロープ(通称:トラロープ)に大きめのコブを50センチ間隔で作り、それを橋の欄干に結び支点として、橋から真下の川岸へ降りていくということをしていました。この方法のおかげで入れない川はありませんでした。

 話は戻りますが、研修の最初に講師のTさんからKさんへ登山についての3恐(?)の質問があり、その答えは「風、心、無知」ということでした。

 この無知とは、まさしくこれまでの私でした。今回、研修参加者へは事前に懸垂下降に必要な道具の提示がありましたが、そのリストをみて、薄々は気が付いていました。「私がやっているのは懸垂下降とは絶対に違うな」と。

 結論からいってしまうと、私のやっていたことは単なる「綱渡り」で、安全確保も何もしていない「命の綱渡り」だったのです。

 私は、「自分の足で、もっと遠くへ、もっと早く、もっと安全に」登山をするために、技術を得るために当会へ入会しました。そんな理由もあり、この日の研修は大変有意義なものとなりました。

 前置きが長くなりましたが、この日の研修内容は、基本からその発展形まで幅広くおこなっていただきました。

 最初は懸垂下降の基本システムから、、、ではなくロープの最大強度を活かすためのロープの扱いからでした。同じ結び方・使い方にしても、「ねじれがない」「結び目は面で接する」など、基本中の基本らしいのですが、ロープは結べられればそれでOKと思っていた私にとっては、重要な知識となりました。室内クライミングの時も言われていた気がしますが、場所が変わると、忘れるものです。

 次に、何をするにも必要となるセルフビレイの説明です。この際に使用するロープの種類説明で、以前はデイジーチェーン型が使用されていたところ、使い方を誤る事故が散見されたことから、現在はオープンスリングを使用する形となった経過など説明がありました。

 この時に限らず、「ミスを犯す可能性があるギアや行動は、たとえ些細なことでも可能な限り取り除く」ということが、終始説明・徹底されました。これに関連してこの後に出てきたのが、「セルフビレイをとる」という言葉でした。これも同様に誤解を生む可能性があることから、会ではこれからセルフビレイを「セット」or「リリース(または解除)」に統一されることとなりました。安全のために必要なことはすぐに取り入れる皆さんの姿勢には頭が下がる思いです。

 そしていよいよ下降の際に使用するロープを使った研修です。

 下降の際のバックアップシステムとして、マッシャー結びを習い、適正な巻き数の確認や、巻き回数の多いとき、少ないときのスライド具合など何度も確認しました。そして、ビレイデバイスを組み込んだ状態でやや傾斜のところで下降の練習(といってもほぼ徒歩後退)です。仕組みを理解したところで、垂直の傾斜を使った実施となりました。  

 講師のTさんのシステムチェックを受け、安心して下降となるはずが、これが全く下がっていきません。隣で下降している人を見ると、スルスルッと降りて行きます。原因は、きちんとお尻を落としてないことということでしたので、2回目に自分なりに落としてみると、初回よりはスムーズにできました。ちょっとの姿勢の違いでしたが、動きには大きな影響を与えることを知りました。

 午後からは、レイジングシステムを主とした講習となりました。これがなかなかの手順で、1度や2度では覚えられません。みんなで順番にやっていくこととなり、私の順番は1番最後となりました。人がやっているのを見ると、次はあれやって、次はこれやってとポンポンと出てきたはずなのに、自分の番となると「まず、何からやるんだっけ」という状況でした。お恥ずかしい話ながら、これを書いている現時点で既に手順の記憶は飛んでいます。ただ、このシステムを使えば非力な私でも、大抵の人なら引き上げられる技術であることから、いつかマスターしないといけないものなんだろうなぁと思いました。(追記:またいつか、と思っていたところ、翌日に講師のTさんから参考となる動画のアドレスが頼んでもいないのに送られてきました。理解不足がバレていたかどうかは不明ですが、親切すぎて驚きました。もちろん動画は繰り返し確認させていただきました)

 最後は全員で、クライミングとなりました。いつかは自然の中でクライミングができればと思っていましたが、こんなに早く体験できるとは思いませんでした。山岳会に入らず1人で独学のままでは、数年後か、もしくは途中で怪我をしてこんなことはできなかったでしょう。

 まだ、山岳会に入り2ヶ月目ですが、内容的には数年分の経験値を得られていると感じています。特に私に足りていなかった安全意識とクライミング仲間は本当に得がたいものだと思います。

 最後に余談となりますが、わざわざ差し入れに来てくれたTさん、Fさんの友人のKさん。初見から「絶対に普通の登山はしない人だろうな」と思っていましたが、温泉後にお話をすると案の定、ぶっ飛んだ行程を好む人たちでした(もちろんFさんも)。  こんな感じの人たちと接点を持てるのも山岳会ならではと思いました。


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編集後記

毎年恒例になりつつある芽登ロック研修です。レベルも様々、クライミング大好きな人も、苦手な人も、初めて挑戦する人も、みんな違って、みんないい。編集後記担当は超苦手分野につき、カメの歩みで習得中です。

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