トムラウシ山2泊3日テント泊は低体温症になる一歩手前でした
トムラウシ山の南沼キャンプ指定地2泊3日の定例山行に行ってきました。
気温は2℃~4℃くらい。
低温のなか、シトシトと降り続く霧雨にさらされ、田んぼのようなぬかるみをひたすら歩いてきましたよ。
中日は化雲岳まで足を延ばす予定でしたが、予定を変更して停滞。
「天気のいいときばかり登っていては知り得ない、教訓に満ちた山行になりました」、と強がりを言っておきたいと思います。
道警が登山道で警戒パトロールを行っていましたが、2009年7月16日に起きたトムラウシ山大量遭難事故が頭をよぎる時期ですよね。
事故当時の気象条件も今回と似ています。
救いだったのは、ほとんど風がなかったこと。
雨と自分の汗で着ているものは下着までずぶ濡れだったので、風が加わっていたらアッという間に低体温症が進行していたと思います。
ちなみに、シトシト霧雨に長時間さらされた結果、防水性のあるスタッフバッグに入れた装備まで濡れていたのには驚きました。
さて、ここでクイズです。
低体温症になったときの処置として、もっとも効果的なのはどれでしょう?
- 水を飲む
- 温かい飲み物を飲む
- 炭水化物を摂取する
- アルコールを摂取する
正解は「3.炭水化物を摂取する」でした。
春の道岳連の研修会で現役医師の講師から教えてもらったんですが、温かい飲み物を飲むよりも何よりも、炭水化物を取って自分で熱を作り出すことが、低体温症にはいちばん効果的だそうです。
普段の生活ではよく分からなかったのですが、今回はギリギリの状態だったせいか、食事のあとに体が温まってくるのをはじめて実感しました。
低体温症になったとき、アルコールを飲んだりタバコを吸うのは言語道断だそうです。
血管が収縮して、さらに症状が悪化します。
テント内ではストーブをたき、炭水化物たっぷり(ご飯とお餅)の食事を摂り、あたたかい飲み物で体を温めました。
雨具や衣類はあまりの濡れっぷりにストーブでは追い付かず、しょうがないので着乾かし。
少し乾いてきても、トイレや水汲みでテントの外に出るたびに濡れて、そんなこんなで山行中はずっと濡れっぱなし。
「なんもかんもずぶ濡れで、どうしていいか分からへん!!」
テント場で誰かがぼやいていましたが、ほんとにそんな気分でした。
それはそうと、ストーブがあることで得られる安心感は絶大ですね。
最近はテント泊山行でも軽量化を追求し、飲み水は浄水器で、食べ物はカロリーメイトのような簡易食で済ますスタイルも多くなっているようですが、「やっぱりストーブだよね」と思った次第。
こんな山行でしたが、最終日は薄曇りとなり、下山しながら花を愛でる余裕が生まれました。
今回、マイテント持参で初めてテント泊を経験した会員は、「何が必要で、何が必要でないか分かった」そうです。
タフな経験をした人の深~いコメントでした。
★次回の定例山行は7月21日(日)西別岳~摩周岳です。低山でありながら、その厳しい気象条件から高山植物が豊富に見られる西別岳と、爆裂火口の縁にある山頂から摩周湖を見渡すことができる摩周岳。道東で大人気のコースです。
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