山岳スキー技術研修会を開催しました
1月13日~14日の2日間、山岳スキー技術研修会を日高国際スキー場にて開催しました。
最後は参加者全員が目に見えて上達。
「自分でもうまくなったのが分かった!」「楽しかった!」と喜びを隠せない様子だったのが印象的でした。
山岳スキーを楽しむには技術が必要です
北海道の冬期登山では主に山岳スキーを使用します。
山岳スキーはゲレンデスキーの板よりも幅広く、よくたわみます。ビンディングもブーツも特殊です。
整地されたスキー場とは違い、雪面状況や斜度変化が大きく、立木などの障害物もたくさんある場所を滑ります。
言わばゲレンデスキーとは別もの。
滑りが楽しめるようになるには、山を安全に滑るためのスキー技術が必要になってきます。
研修会では、ゲレンデスキーと山岳スキー両方の指導員資格を持つ当会代表が講師を務め、参加者ひとりひとりの技術的課題をふまえつつ、山で使える技術を徹底練習しました。
共通課題
研修会に参加された方々に共通して見られた課題がこちら。
- 腰が前に出ない
- 目線が近い
- 急激なエッジング
◆腰が前に出ない
~腰が前に出ないデメリット~
- ターン前半で板のトップが雪面をとらえることができない
- 板の性能が活かせない
- 空気イス状態で疲れる
~腰が前に出るようになると~
- 次のターンをスムーズに始められる
- 無駄な力を使わずにすむ
- ポジションが高くなるので楽
◆目線が近い
~目線が近いデメリット~
- ターン弧が小さくなりやすい
- 斜度、スピードに応じた体の傾きを保てない(内倒しやすい)
- 周囲が見えない
~目線が遠くになると~
- ターン弧の調整能力が高くなる
- 斜度変化、障害物を早く発見できる
- 心の余裕ができる
◆急激なエッジング
~急激なエッジングをするデメリット~
- 深雪に足をとられやすい
- 転倒しやすい
- 疲れる
- エッジングのあと力が抜けてしまい、スキー板が雪面を捉えられなくなり不安定になる
~エッジングが滑らかになると~
- 足をとられない
- 疲れない
- ターンの調整幅が広がり、ターン弧の大きさとスピードコントロールがしやすくなる
- 常にスキー板が雪面を捉えることができるので安定する
整地されていない自然の雪面では、どれも滑りを左右する大切な要素です。
山でいちばん使える技術はシュテムターン
「急斜面を安全に下りる」「雪質が悪い」「障害物がたくさんある」ときなど、初心者から上級者まで重宝する技術がシュテムターンです。
研修会では、「共通課題」を意識しながらシュテムターンの練習をしました。
みなさんの頑張りで、初日と2日目では劇的に変化しているのが分かります。
夜は撮影したビデオを見ながらの座学やビーコン操作の練習も行うなど、スキー浸けの2日間でした。
みなさん、お疲れさまでした!!
今回の研修会、みなさんから大変好評をいただきました。
特に、2日間連続で徹底練習したことで、課題として指摘されたことが研修中に「できるようになった」ことがよかったそうです。成果が実感できるって嬉しいですよね。
講師からは「来年もみなさんの「うまくなりたい」に応えられるよう頑張ります!」とのことでした。
次回の定例山行は1月20日(日)雪上訓練です。アイゼン歩行、ピッケル滑落停止、ビーコン操作を行います。
くしろ山岳会では新規会員を募集しています。
ご興味のある方は問い合わせフォームからぜひご連絡ください!見学も大歓迎です。