1月研修会「登山者のための気象」よりピックアップ
くしろ山岳会の1月研修会は『登山者のための気象』でした。
登山愛好家なら、誰しも気象遭難を防ぐために気象を予測する力を備えることが大切です。
一般的な気象に関する知識の他にも、山岳地形特有の気象などを知っておく必要があり、一朝一夕にはいきません。
くしろ山岳会の研修会では数回に分けて気象の勉強をしています。
今回は実際に経験した気象事例をもとに解説しました。その一部を紹介します。
晴天が1時間で急変した例
【2007.7.15 AM8:20】
十勝岳に向かう山行中の写真です。雲一つない晴天です。
【2007.7.15 AM9:17】
1時間後、十勝岳に東風が吹き、上昇気流で雲が発生しました。
その後十勝岳に向かったところ、ガスに覆われ、視界不良かつ風速20mの強風に襲われました。
【2007.7.15 AM9:00の天気図】
北海道の平地では雲一つないレジャー日和でしたが、実は台風が東海地方の南岸に位置していました。
【2007.7.15 8:04】
強風に襲われる前に前兆現象がありました。
南東方向には滝のような雲が見られました。
これは台風による東風が山の地形で収束加速され、下ホロカメットク山で上昇して雲を発生させたものです。
通常、山を乗り越えた風は下降気流となって雲が消えますが、台風からの湿った風で大量の水蒸気が供給されたため、下降気流で雲が消えず、滝のように雲が流れ落ちるような現象となったと考えられます。
【地形と前兆を振り返る】
天気図を見て地形と風を観察しておけば、下山のタイミングを計ったり、ツェルト準備などの対処ができます。
山では刻一刻と変わる雲の動きを観察ことが大切です。
風は見えませんが、雲の動きを見れば風を見ることができます。
【雲を観察する↔何も考えない】では、対応能力に雲泥の差が付くのでは、と考えています。
次回2月5日の研修会は『ラジオを聞いて天気図を書く』です。
くしろ山岳会では、新規会員を募集しています。
見学大歓迎です。
ご興味のある方は問い合わせフォームから是非ご連絡ください!