道岳連のクライミング研修会に参加してきました
北海道山岳連盟のクライミング研修会に参加してきました。
クライミングができると、登山のバリエーションが広がります。
ブログの最後に、研修会で学んだ【よじれさせないエイトノット(8の字結び)】を紹介していますので、ご参考にどうぞ。
クライミングとは?
なぜ登山の集まりでこんなことをしているのか不思議に思った方のために、まずは、クライミングについて簡単に説明します。
クライミングは、アルパインクライミングとスポーツクライミングの2つに大別されます。
スポーツクライミング
スポーツクライミングには、4m程度の人工壁や岩をロープ無しで登る「ボルダリング」、高さ15メートルの壁を2人の選手が同時にスタートして速さを競う「スピード」などがあります。
特徴は、下にマットが敷かれるなど、人工的に整備された環境下で行う、墜落を前提とした競技性の高いスポーツといえます。
アルパインクライミング
アルパインクライミングには、岩場を登ったり、沢を渡渉する沢登り、氷壁を登るアイスクライミングなどがあります。
登山道がないバリエーションルートを進むときに必要な手法であり、いわば登山の一部です。
速さを競うのではなく、絶対に墜落しないよう、落ちないルートを探して、確実に登ります。
ひとつとして同じ条件がない自然の中で行うため、幅広い技術や知識を必要とし、道具の取扱いを熟知していなければなりません。
ちなみに、アルパインクライミングとスポーツクライミングは別物ではありません。
アルパインクライミングを始めるにあたって、スポーツクライミングで登はん力や確保技術、道具操作の基礎を習得しておく必要があるのです。
クライミング経験がもっとも活きるのは沢登りです
一般登山者にとって、クライミング経験がもっとも活きてくるのは沢登りでしょう。
沢登りでは、安全を確保するため、ロープを体に結ぶハーネスやスリング、カラビナなど道具が必要になります。
それらを扱う技術や知識も必要になりますし、懸垂下降などの特殊な技術も不可欠です。
手足の使い方もしかり。
沢に入るのはクライミング経験者に限っている山岳会もあるほど。
クライミングができれば、登山のバリエーションは一気に広がります。
バランス能力が向上します
クライミングでは、足裏の感覚や手の触感などを頼りに、体重移動しながら登ります。
感覚が研ぎ澄まされ、バランス能力が鍛えられます。
沢で石の上を渡るとき、巨石のガレ場を渡り歩くときなど、その効果はてきめん。
バランス感覚が良いと、転倒事故やケガの予防につながりますし、疲れも違ってきます。
年を重ねると、バランス能力から落ちていくと言われています。
クライミングはいくつになっても始められて、上達する競技ですから、中高年の登山愛好家にこそトレーニングに取り入れてほしいものです。
よじれさせないエイトノット(8の字結び)
研修会で学んできた「よじれさせないエイトノットの結び方」を紹介します。
クライミングを始めるときに真っ先に覚えなくてはいけないエイトノット(8の字結び)は、ハーネスに命綱となるロープを結びつけるときに使うため、基本中の基本であり、もっとも重要な結びです。
ロープは、まっすぐにした状態が最も強度があります。
ロープに折れや、よれ、よじれが生じることをキンク(kink)と言います。
ダブルエイトノットの写真です。左がキンクしています。
ロープがキンクすると、強度が低下するだけでなく、最悪は破断することも考えられます。
エイトノットの作り方は幾つかあるのですが、キンクしやすい結び方、させない結び方がありますので注意しましょう。
キンクさせない結び方がこちら。
手元を見なくてもできるようになるのが第一段階。
そして、自分でできるようになったら、他人にも結べるように練習しましょう。
「自分で結べて、他人にも結んであげられて一人前」
講師をしてくださったプロガイドの方からの教えです。
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