7月研修会「登山の栄養学」よりピックアップ
くしろ山岳会では、毎月第一火曜日の例会に合わせて研修会を開催しています。
7月の研修会は「登山の栄養学」でした。そのなかから、お役立ち情報を一部ピックアップしてお伝えします。
一般的に、登山は誰でもできるスポーツで、ウォーキングの延長のようなイメージを抱いている人が多いですよね。
実際はどうなのでしょうか。
運動や身体活動の強さを表す単位「メッツ(METs)」でみると、登山はエアロビクスやテニスに匹敵する強度であることがわかります。
しかも日帰り山行でも6~8時間は当たり前ですから、長時間続くハードな運動なのです。
参考:国立健康・栄養研究所ホームページ 「改訂版『身体活動のメッツ(METs)表』」
何をいつ、どのように食べるといいのか?
激しい運動を支えるためには、エネルギー補給が大切です。何を、いつ、どのように食べるかで、山行中はいうまでもなく、下山後の疲れも変わります。
炭水化物の摂取がカギ
快適な登山のカギをに握るのは、ご飯やうどん、パンなどの炭水化物に含まれる糖質の摂取です。
やっかいなことに、糖質は体にたくさん貯蔵することができません。食いだめしても脂肪になるだけで、足りなければエネルギー切れしてバテてしまいます。
だから、糖質は「こまめに」「適量」をとり続ける必要があるのです。
糖質(炭水化物)を組み合わせる
糖質には主に3つの種類があります。目的に応じてうまく組み合わせると、登山がより快適になります。
①多糖類(デンプンなど)
登山でバテないためには、ご飯、パン、麺類、パスタ、もち、イモなど、多糖類を多く含む食べ物を中心にとるのが原則です。
これらの食べ物は、体への吸収がゆっくりで腹もちが良く、登山のような持久系のスポーツでは運動を支える土台のようなもの。
「こまめに」「適量」を補給するために、休憩のたびに、小さなおにぎりやパンを食べましょう。頻度は最低でも1時間おきです。
②二糖類(砂糖、麦芽糖など)
飴やお菓子などの二糖類は、体への吸収が早く、食べるととたんに元気が出ます。疲れがピークに達する下山時など、急場のカンフル剤にはうってつけ。
ただし、効果は一時的で持続しません。大量に食べ過ぎると血糖値が急激に上下してかえって疲れてしまいますから、とり方には注意が必要です。
③単糖(ブドウ糖、果糖など)
糖質のなかで、もっとも吸収と代謝の効率が良いのがブドウ糖です。
速やかに吸収されるので、シャリバテしたときなど緊急時に摂取したい食べ物です。ドラッグストアなどで手に入るので、救急用品に加えておくといいでしょう。
以上、7月研修会「登山の栄養学」の一部内容をピックアップしてみました。みなさんの山行がより快適になるヒントになれば幸いです。
次回8月の研修会は「脱水と水分摂取」です。どんな飲み物をどのくらい持っていくといいか等、山行にすぐ活かせる内容を予定しています。アイソトニック飲料とハイポトニック飲料、経口補水液の試飲会もします♪
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