東大雪「南ペトウトル山」に行ってきました
10月の定例山行第二弾は、東大雪然別火山帯の「南ペトウトル山」です。
登山道から振り返れば常に然別湖を一望にできる、眺望の良い山でした。
一般的に、然別湖周辺の山として人気なのは、白雲山や東ヌプカウシヌプリでしょう。
南ペトウトル山は、登山口が温泉街という地の利があるにもかかわらず、あまり知られていない不思議な山です。
少し古いガイドブックには「見通しがあまり効かない山」と書かれていましたから、それにより敬遠されてきたのかもしれません。
ほぼ尾根登りの登山道には、2016年台風によるものと考えられる、真新しい倒木が多くありました。
現在は予想外に視界があり、然別湖を見渡しながらの登りが可能だとお知らせします。
湖が眼下にある登山は気持ちの良いもので、あっという間に標高を稼ぎます。
頂上は然別湖が一望できました。
十勝平野の奥には太平洋まで見渡せます。
左奥に小さくみえるのが東雲湖です。
然別湖周辺の然別火山帯は、【風穴地帯】という、火山活動によって生成された岩と岩の隙間が多い地形となっています。
冬の間に隙間にたまった雪や氷が真夏まで残り、0℃近い冷気を吹き出しています。
そのため、わずか800m程度の標高でも、暑さに弱いナキウサギが生息しています。
下山後は、駒止湖付近のガレ場(風穴地帯)でナキウサギ観察をしました。
ナキウサギの活動が活発になる時期でもあり、観察地には、超望遠レンズをもったカメラマンがずらり。
人間を警戒していたようで、あまり鳴声がしませんでしたが、10分もしないうちに2個体ほど観察できました。
また、然別火山帯の風穴地帯には「植生の反転」という珍しい現象も見られます。
風穴違いの冷たい空気が吹き出すところには木が育たず、そこより標高の高いところに木が生育していることを指します。
登山とは直接関係ありませんが、このようなことを知っていると、登山はより楽しくなると思います。
★当会の無雪期山行は今回で終了です。11月、12月は釧路市のクライミングウォールでバランストレーニングを予定しております。
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