タケノコ山BCの報告です

南富良野町タケノコ山BCに行ってきました。

昨今は冬の雨が普通になって、山の雪面状態も劇的に変化するようになりましたね。

今回は数日前の雨を引きずってやや重めでしたが、ぎりぎりパウダーで長距離ドライブの労が報われる結果に。

タケノコ山BC

しっかりと雪崩に対する対策を講じたうえで、滑走を楽しんできました。

その様子を、会で一二を争うパウダーフリークTさんから報告してもらいます。

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2/21(日) 南富良野タケノコ山BC

タケノコ山ログ

  • 前日に知人から「南富良野が雨でトマムに移動したらナイスパウダー!」との情報を得て、淡い期待と不安を胸に朝3時半釧路発で車を走らせました。路面状況も想定していたよりもずっと良く、約3時間の運転で順調に幾寅の町へと到着。町中では風が強く、それに加えてよく取り付き地点として利用される零号線上の最終民家付近の雪質はうっすら表面がザラメ化した一種のモナカ雪であることが確認でき、なかなかの修行な1日になることを覚悟しました。

南富良野町市街から見たタケノコ山

  • その後林道を更に車で進み、樹林帯の奥の広まった場所に車を駐車します。森の中に入ると風が弱くなり、過ごしやすくなりました。また、休日ということもあり、7時半過ぎに我々が到着した後は程なくしてほぼ満車状態となっていました。

 

  • 取り付き地点からはゲートがある道とない道の二手の分岐が確認できます。今回は北側の尾根に上がるルートを取るので、ゲート無しの方へ進みます(トレースがかなりしっかり付いているので迷うことはないはずです。)

 

  • 滑り面となるシュート地形を左手にして樹林帯を詰めていきます。取り付き始めてからは時折晴れ間も除き、標高550m付近の林道と交錯するまでのルートはさながらのどかなピクニック気分でした。

 

  • 林道と交錯すると、その後は斜度を上げていく登りとなります。この辺から雨の影響が直接的に感じられる硬い雪質から、柔らかい雪質へと変わってきました。

タケノコ山

  • 先行者のトレースがかなりしっかりとついていたのでその後を追いますが、やや斜度がきついジグを切っており、時折シールのグリップが効かず滑る場面も見られました。ジグを大回りに緩く切って登ることがかえって早く移動することに繋がったり、スキーをVAの字のようにしてキックステップを取ることで体力を温存する方法を教えてもらったりするなど、ベテランスキーヤーの会員に登りの技術について学ばせていただくいい機会となりました。(スノーシューの人が先行者だった場合は、トラバースをするとかえって体力を消耗するので、逆に直登気味に登るトレースが残ります。)

 

  • 標高800m付近で尾根に乗り上げます。この日は雪が降っていましたが、天気が良いとなかなかの眺望の良さが期待できそうです。この日は時折雲の切れ目から南富良野の町並みや、かなやま湖を見渡すことができました。この後は稜線上を登って偽ピークを経由し、タケノコ山ピークを踏みました。そこから更に西側へ稜線上を移動していくと、社満射岳に登ることができます。

タケノコ山

 

  • 今回は偽ピークから北東側のシュート地形を滑りました。南東側のシュート地形など、コンディション等によっては他にも滑る面があるそうです。

 

  • 「どこの斜面にも弱層はある。どれくらいの深さで、どれくらいの力加減で層が崩れるかを確認することが大切。」という会長の助言の元、斜度が30度以上になるような場所を見つけて弱層テストを行いました。1回目の弱層テストでは、50センチの深さの雪が手首の力でずれました。ズレた面の雪質がザラメ質であることから、先日の雨混じりの雪が弱層を形成したのではないかということが考えられました。これらのことからここの斜面を滑る際には、雪崩が起きる可能性も考慮して、大回りのターンや、スノーボードでの当て込み等は控えて滑った方が良いということを確認しました。

弱層テスト

  • 万が一雪崩に巻き込まれた場合を考え、シュート地形を上から見渡せる場所に来たら、周りの人たちは1人ずつ滑る姿を確認してから滑りました。(雪崩に巻き込まれた際の消失点を確認するためです。また一斉にみんなで同じ斜面を滑ると、雪崩リスクが高まります。)

 

  • 滑り面の雪質は、日本海側の雪の様な、やや水分を含んだようなバフバフのパウダースノーでした(クリームチーズに例えられることもあります)。水の上を滑っていく様なあの独特の浮遊感がたまりません。

 

  • 最後まで滑り落としたくなる気持ちを抑えつつ、750m付近で樹林帯の中に入り登り返しです。1時間もあれば余裕をもって登り返すことができます。

タケノコ山

  • 標高900m付近から2度目のドロップです。この時の弱層テストでは、表面20センチの深さが手首の力で崩れました。先程同様、雪崩の可能性を考慮した滑りをしていきます。

 

  • 同じ斜面でも、樹林帯に近い2度目の方がやや軽い雪質でした(一言で言うなれば大当たりでした)。この後はシュート地形を滑っていき、頃合いの良いところで樹林帯の中へ入ると取り付き地点まで滑って帰ることができます。また、そのまま沢を最後まで詰めていっても最後は林道に出るので、道迷いする可能性は限りなく低いです。

タケノコ山

  • 上記の様に大当たりな雪質でしたが、多少の地形のうねりや深い沢へ落ちてしまいそうな箇所が数箇所ありました。私見ですが、2ターン先を見て上半身の先行動作も付けながらターンを繋いでいくこと、それに伴って地形に合わせた上下の重心移動も意識しながら滑ることがバックカントリーをスノーボードで滑る際には大切だと考えています。

タケノコ山BC

  • 登る楽しさ、滑る楽しさの両方を味わうことのできるバックカントリーは非常に魅力的だし、雪国である北海道に住んでいる我々の特権だと思います。必要な道具を揃えるハードルは高いかもしれませんが、より多くの方にその魅力が伝わればいいな、と今回の山行で改めて思いました。道具選びなどなど、不明な点などがありましたらお気軽にご相談ください。BC好きな会員みんなで胸焼けするくらい手厚くサポートさせていただきます。笑

 

 

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