羅臼岳「羅臼温泉コース」は風の通り道でした
羅臼岳「羅臼温泉コース」に行ってきました。
残念ながら登頂は断念しました。
理由は風。羅臼温泉コースは、風の通り道になっているようです。
当日、千島沖に低気圧があり、ウトロ側から海風が吹いていました。
その湿った空気が山の斜面で上昇して雲を発生させ、雨をふらせていました。
標高が上がるほど風は強くなり、横なぐりの雨に…。
残念ですが、低体温症のリスクを考えて、屏風岩より先で引き返す判断をしたというわけです。
羅臼温泉コースは、登山序盤にも関わらず登山道にそって非常に強い風が吹き、奇妙なことにダケカンバは横向きに生え、森林限界としては低い標高にも関わらずハイマツ帯もありました。
まるで稜線や馬の背付近のような植生に、疑問を感じながら登りましたが、「なるほどね」と合点がいく強風でした。
でもなぜだろう?
強風の理由がわからないまま訪れた羅臼ビジターセンターで、ジオラマ模型に答えを見つけました。
羅臼平を越えた風は、斜面を下降し、壁地形(第一の壁、第二の壁)で二股に分かれ、登山道沿いに収束されて強風となったと考えられます。
あまりにも強い風のため、ウトロ側の雨が霧吹きのように登山道沿いに吹き付けられ、湿度の高い状態となったようです。
恐らくよくこういう気象条件になるのでしょう。
登山道の岩には苔が育ち、大変滑りやすくなっていました。
下山中に羅臼平方向を振り返った写真がこちら。
まるで冬の季節風で日本海側に雪を降らせる雲のようです。
このようなときは羅臼平は相当な強風で、引き返した判断は正しかったと確信しました。
羅臼温泉コースはメンバー全員が未踏だったため至極残念ですが、いつか再訪できればと思います。
★次回は9月3日(火)、例会と研修会「安全登山ロープワーク」です。
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